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寿し おおはた @その33 (鮨:北新地) 大間名人戦

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おおはた。

熟成のちょうど良い頃合に至った大間がある。
そう親方から連絡をもらって、行かぬ理由が見当たらない。

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突き出しは、津居山ズワイガニの蒸し寿司。

蟹身や味噌も無論美味いが、やはり真骨頂というべきは、
台の酢飯が美味いからで、全体バランスで絶品になる。

私は握りオンリーの特殊客のうちの1人であるが、
それでもあと1品はツマミが出る。

が、この日はいつもより握りが多めなので、もう握りに入る。

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1カン目は平目。

力強い旨味に加え、寒平目に相応しき脂も蓄えており、
「白」酢飯と絶妙に絡み合い、ほどけていく。

後味も実に美味い。

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鯖は脂乗りが強烈という方向性ではなく、
繊維一本一本に脂が絡みついている印象。

そこへビシッと塩酢が効きつつも、どこか優しい、
丸みの感じられる独特の締め方を施す。

美味い。

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鰹。

脂の乗った鰹は、よく「トロ鰹」とメニューアップされているが、
この鰹はちょっと次元が違う。

マグロ大トロと見紛うほどの霜降りが入った身は、
まさに口に入れた途端に脂がとろけ、幻想の世界に誘う。

半秒ほどマグロと錯覚し、舌が味を、鼻が香りを認識し直したところで、
ああ鰹だったと気づく。

魔性の鰹だ。

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スミイカ。

サクサクッとした歯切れが心地よい。
握りに最も合うイカは、スミイカ(ハリイカ)だと再確認。

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さて、まずは赤身の食べ比べから。
ともに大間で、右が6日目、左が16日目。

これまでの食べ比べでは、片側がボストンだったり、塩竈だったり、
主役に対して「やはり役者が違う」という賛辞を贈り、
明らかに違う美味さを楽しんできた。

今回、6日目の大間のポテンシャルが非常に高く、
無論16日目が深さで勝っているけれども、明々白々な、
私の馬鹿舌でも瞬時に分かるような分かりやすい差異がある訳ではない。

名人戦とでも言えようか。
細かな所作ひとつひとつに、流石と言えるエッセンスがチラリと光る。
こういう食べ比べも楽しいものだ。

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中トロになってくると、差が徐々に顕わになってくる。

なるほど熟れた、練れた味わいの真骨頂は脂、
いや、むしろ脂の向こう側にあるのかもしれない。

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平目のエンガワ。
素晴らしい筋肉繊維に、上品な脂が絡みつく。

まだ子供の頃、バブル期のかすかな記憶を蘇らせてみると、
平目の身を喰わず、エンガワだけを食べて通を気取る輩が散見されたような気がする。

それはトロばかりを食べ、赤身を無視するのと同様の愚かさだと思うが、
その愚行すら多少理解できるかなと思えるぐらい、久々の美味いエンガワ。

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霜降りの大トロ。

口中に放り込み、「赤」の酢飯がパラリとほどけ、
トロと絡み合い、喉を通っていく。

鉄、酸、血。
そういった上質の生鮮本マグロの風味と、
脂の甘みを堪能した後の余韻。

この余韻に浸っている時に、16日目に限ってはそこに留まらず、
一瞬、もう一段熟れた味と香りを戻してくる。

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蛇腹の大トロ。

余韻時の深み、蛇腹で極まれりか。

釣った当日などはともかく、大間マグロは数日の熟成でも十分に美味い。
それなのに、店にすぐ出さず、スペースを占拠してしっかりと寝かせる。

この一見、非合理に思える仕事の意味が完璧に理解でき、
反論どころか、屁理屈の口答え一つ許さない説得力を備える美味さ。

念のため付記しておくが、寝かせるは「ただ置いておく」ことではない。
白身でもそうだが、熟成にはたしかな技術が必要。

世は熟成ブームで、猫も杓子も熟成しておけば事足りるというような風潮だが、
熟成とは魚屋で買って取りあえず冷蔵庫にしまって置けばよいということではない。

適当な仕事の熟成魚なら拒否して、その日入れた魚を握ってもらった方がまだ美味い。

逆に熟成マニアと堕してしまい、熟れた・練れたを通り越し、
味も香りもひねてしまい、燻製のようになってしまった魚も不味い。

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いささか話が逸れた。
単線での通過待ち停車時間が妙に長い特急列車のようになってしまった。

コハダである。
肉厚で脂が乗り、そこに絶妙の塩梅の締め仕事。

余韻の強烈なマグロの後だから、緩いコハダでは余韻を断ち切れない。
かといって、塩梅がビシバシと強すぎると、単体の握りとして美味くない。

ちょうど良い。

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ノドグロの炙り。
きんきと同じく、分かりやすく、誰が喰っても美味い魚。

ただ、この炙り加減が絶妙、素晴らしい。
ここで握りか、半焼け焼き魚オン・ザ・酢飯かの差が出る。

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サヨリ。

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ブリ。

サクッと歯切れの良さを心地よく思った瞬間に甘い脂。
美味いが、このブリすら霞んでしまうほど、先ほどの鰹が凄かった。

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鰆も少し寝かせてある。

鰆は淡白な味わいの中に、意外に力強い脂があり美味い魚だが、
熟成によって少々柔らかすぎる身に締りが生まれ、旨味に妖艶さが備わる。

美味い。

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紅葉鯛。

美味い鯛だが、平目が勝るか。
寒くなると、白身王すら圧倒されがちになる。

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ボタン海老。

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赤貝。

大分の赤貝は素晴らしい香り。
味ももちろん良いが、何しろ香りが素晴らしい。

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赤貝のヒモも無論美味い。

上質赤貝の優劣は香りで決まるのかもしれないなあ。

一定レベル以上の赤貝なら、歯触り、味とも皆まあ良い。
が、鼻腔をビューッと突き抜ける磯の香りの強さと品、ここに差がある。

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車海老は再び海老詰めも塗る仕事に。

海老詰めによってもたらされるのは、旨味の濃さもだが、
何より香ばしさ。

何とも芳しい海老握り。

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蛤は「(秘技ありの)漬け込まない」仕事。

おお、これも美味い。

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牡蠣。

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違法建築の海胆w

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対馬の穴子。
とろけるような口どけ。

それでいてただ柔らかいだけでなく、最適の歯応えを残し、
そして香りが素晴らしい。

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鮨の締めはもちろん、大間マグロのトロ鉄火。

もう言い尽くした。
何も言うことはない。

ただただ美味い。

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クリーミーな玉子で締め。

大畑劇場、堪能いたしました。

【訪問時期:2018年11月後半】

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【過去記事】 
その25 ・・・ シンコ・コイカ
その26 ・・・ 大間比べ
その27 ・・・ 大阪におおはたあり、と胸を張りたい
その28 ・・・ この鮨を喰うために、我は働く
その29 ・・・ 驚きの鮮度を保つ
その30 ・・・ 仕事のさらなる進化
その31 ・・・ 夏大間・白甘鯛
その32 ・・・ 秀才の塩竈・天才の大間


寿し おおはた
 


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