川福 本店 @その5 (うどん:心斎橋) 大阪うどんの美味さ
どうも、ウォルト・ホイットマンです。
生きている限り人生の支配者となり、決して奴隷とはならず、
全能の征服者としてこの人生に立ち向かいたい。
呑んだ後、かなり久しぶりに川福へ。
キャリーケースで爆走をきめ込む集団に、怪しげな客引き、
いかにも中身は伴っていなさそうな派手派手の飲食店。
喧騒極める現代ミナミにあっても、この店の落ち着きだけは変わっていない。
ミナミにあって、ミナミから隔離されているかのようなこの空間で、
締めにTHE大阪うどんを喰う。
それだけで楽しくなってくる。
久しぶりなので(?)、注文はきつねうどんにした。
この店は恐ろしいまでに創作うどんメニューが豊富であり、
それがまたかなりの高めの値付けであり、
それぞれが美味かったりするわけだが、ここは王道にしておく。
出汁、うどん、油揚げ。
「シンプル・イズ・ベスト」と言えばいささか単純に陥りそうで、
「引き算の美」とまで言ってしまうといささかうっとおしい話になりそうだが、
とにかくこのシンプルで、完成形としか言いようがないルックスがたまらない。
出汁がしみじみ美味い。
酔って少し火照った身体に、優しく染み渡る。
讃岐うどんのイリコの効いた出汁も美味いのだが、
昆布と節のオーソドックスな出汁の美味さはDNAに刻み込まれているのだろう。
飲んだ瞬間に「これこれ」と身体が反応し、もう一口、もう一口と欲していく。
同じミナミで美味い大阪うどんを供し続ける今井に比べ、
ひと目盛り庶民寄りというべき味がまた美味い。
どちらが上で、どちらが下ということではない。
今井が上品で、川福が下品ということを言いたいわけでもない。
それぞれ上質の個性であって、それぞれが美味い。
ただ川福の方がより分かりやすい味で、広範に人を虜にする、という気がする。
立地、知名度等々で客数は今井が圧倒しているだろうけども。
揚げも美味いが、やはり特筆すべきはうどんの美味さだろう。
麺に限ってとなれば、今井に特段の印象はなく、
川福に圧倒的軍配ということになる。
関西讃岐うどんの寡占状態で大阪うどんが絶滅危惧種になりつつある昨今では、
この麺は「コシがない、弱い」と単純に片付けられてしまうだろう。
だが、うどんのコシとは弾力と粘り、しなやかさで構成されるという本来に回帰すれば、
麺が固いということと「コシ」とは別の話である。
言ってしまえば、しなかやで、表面と中心部に弾力の差があれば、
それはコシのあるうどんであって、その意味では川福のうどんは実に素晴らしいコシがある。
紙粘土になることを目指しているのかと疑いたくなるような剛麺は、
そんなものはコシでも何でもなくて、ただひたすら固いだけのうどんだ。
ああ、やっぱり大阪うどんというのは美味いものなのだ。
なお、小皿には浅葱ともみじおろし、おろし生姜が添えられる。
これを丼鉢にぶちまけてしまうと出汁の世界観を壊してしまいそうだが、
レンゲに出汁を掬い、そこに少しだけ薬味を入れて違う世界を楽しむ、
というのも一興で、これもまた美味い。
創作うどんもまた食べたいな。
【訪問時期:2018年9月後半】
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食べ歩きランキング

【過去記事】
その1 ・・・ 甘く、柔らかく、優しく
その2 ・・・ 微妙な足し算
その3 ・・・ うどんの進化
その4 ・・・ 再び変わりうどん
生きている限り人生の支配者となり、決して奴隷とはならず、
全能の征服者としてこの人生に立ち向かいたい。

呑んだ後、かなり久しぶりに川福へ。
キャリーケースで爆走をきめ込む集団に、怪しげな客引き、
いかにも中身は伴っていなさそうな派手派手の飲食店。
喧騒極める現代ミナミにあっても、この店の落ち着きだけは変わっていない。
ミナミにあって、ミナミから隔離されているかのようなこの空間で、
締めにTHE大阪うどんを喰う。
それだけで楽しくなってくる。

久しぶりなので(?)、注文はきつねうどんにした。
この店は恐ろしいまでに創作うどんメニューが豊富であり、
それがまたかなりの高めの値付けであり、
それぞれが美味かったりするわけだが、ここは王道にしておく。
出汁、うどん、油揚げ。
「シンプル・イズ・ベスト」と言えばいささか単純に陥りそうで、
「引き算の美」とまで言ってしまうといささかうっとおしい話になりそうだが、
とにかくこのシンプルで、完成形としか言いようがないルックスがたまらない。

出汁がしみじみ美味い。
酔って少し火照った身体に、優しく染み渡る。
讃岐うどんのイリコの効いた出汁も美味いのだが、
昆布と節のオーソドックスな出汁の美味さはDNAに刻み込まれているのだろう。
飲んだ瞬間に「これこれ」と身体が反応し、もう一口、もう一口と欲していく。
同じミナミで美味い大阪うどんを供し続ける今井に比べ、
ひと目盛り庶民寄りというべき味がまた美味い。
どちらが上で、どちらが下ということではない。
今井が上品で、川福が下品ということを言いたいわけでもない。
それぞれ上質の個性であって、それぞれが美味い。
ただ川福の方がより分かりやすい味で、広範に人を虜にする、という気がする。
立地、知名度等々で客数は今井が圧倒しているだろうけども。

揚げも美味いが、やはり特筆すべきはうどんの美味さだろう。
麺に限ってとなれば、今井に特段の印象はなく、
川福に圧倒的軍配ということになる。
関西讃岐うどんの寡占状態で大阪うどんが絶滅危惧種になりつつある昨今では、
この麺は「コシがない、弱い」と単純に片付けられてしまうだろう。
だが、うどんのコシとは弾力と粘り、しなやかさで構成されるという本来に回帰すれば、
麺が固いということと「コシ」とは別の話である。
言ってしまえば、しなかやで、表面と中心部に弾力の差があれば、
それはコシのあるうどんであって、その意味では川福のうどんは実に素晴らしいコシがある。
紙粘土になることを目指しているのかと疑いたくなるような剛麺は、
そんなものはコシでも何でもなくて、ただひたすら固いだけのうどんだ。
ああ、やっぱり大阪うどんというのは美味いものなのだ。
なお、小皿には浅葱ともみじおろし、おろし生姜が添えられる。
これを丼鉢にぶちまけてしまうと出汁の世界観を壊してしまいそうだが、
レンゲに出汁を掬い、そこに少しだけ薬味を入れて違う世界を楽しむ、
というのも一興で、これもまた美味い。
創作うどんもまた食べたいな。
【訪問時期:2018年9月後半】
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【過去記事】
その1 ・・・ 甘く、柔らかく、優しく
その2 ・・・ 微妙な足し算
その3 ・・・ うどんの進化
その4 ・・・ 再び変わりうどん
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