FC2ブログ

寿し おおはた @その32 (鮨:北新地) 秀才の塩竈、天才の大間

どうも、プーブリウス・オウィディウス・ナーソーです。
邪悪なる善は甘い蜜に潜む。

ip1810-IMG_5411.jpg 
親方に良いマグロが入ったら知らせて欲しいと頼んでおいた。

自分が鮨を喰いたくなったから行くのではなく、
今回はマグロ様のご都合を最優先しての訪問だ。

ip1810-IMG_5412.jpg 
突き出しの鱈白子の蒸し寿司を食べて、
晩秋に近づきつつあることを実感する。

弾けんばかりのプロモーションの白子はキレイな旨味に満ちているが、
この一皿が真に美味いのは台の酢飯の美味さがあってこそ。

そこいらの鮨屋が真似ても台が及ばない。

ip1810-IMG_5413.jpg 
渡り蟹をサッと平らげ、握りへと移る。

塩竈の良い味のマグロが入ったという連絡を親方からもらい、
ざっと2週間、熟成のピークを見計らった。

どんなマグロに出会えるか、楽しみだ。

ip1810-IMG_5414.jpg 
この日は、大畑流・瞬間昆布締めの平目から握った。

まだ走りの淡路産だが、程よく脂が乗り、
何よりも素晴らしい旨味で、ピークかと思わせるほど。

ip1810-IMG_5415.jpg 
浅めに締めた鯖。
産地を聞けば、鮨ダネに向く鯖を揚げている印象に乏しい淡路とのこと。

これが絶品で驚いた。

きめ細やかな身質、優しくもあるが芯の強さを感じる旨味。
拙い表現力しか持たないのが悔しいが、「緻密」とでも言うべき脂。

単純に脂をたっぷり蓄えている鯖、ということではないのだ。
繊維一本一本が最適量の脂を持つとでも言おうか。
一瞬、サラリと、あっさりと感じるが、実に深い魅力を持つ脂の質なのだ。

ip1810-IMG_5416.jpg 
スミイカ。

ip1810-IMG_5417.jpg 
こちらも淡路の鰆で、寝かせて5日。

何とも例えようがない、鰆独特の品ある脂の甘みに魅了され、
少し練れて強さを増した旨味に翻弄される。

ああ、まさに絶頂期の鰆。

ip1810-IMG_5418.jpg 
さて、マグロだ。

左が待ちに待った12日熟成の塩竈。

本マグロ特有の芳しい血の香りに、心地よい酸味。
しっかりとしたコク味も感じられ、さすがの1カン。

そう思いつつ、熟成がまだ5日と浅い右の大間を口に入れる。

驚いた、ただただ驚いた。

数秒前に食べた塩竈の魅力をすべて備えつつ、
大間特有のきめ細かい身質、それに赤身といえども備える脂の甘み、
そして香りの強さ。

今日の主役であるはずの塩竈を、あっさりと凌駕してしまう。

ip1810-IMG_5419.jpg 
塩竈の中トロも素晴らしいのだが、大間は役者が違う。

いつ頃からか、関西でも猫も杓子も大間。
大間というブランドを闇雲に信仰する趣味は持ち合わせていないが、
近海生鮮本マグロの中でも大間と他産地はカテゴリが違う、と感じさせられる。

漁場への近さ、漁法、手当てといった漁師・流通の努力、
そして親方の保存・熟成といった仕事、それに酢飯、本山葵、煮切り。
これらが一体になって、上質の塩竈さえ圧倒する美味さが産まれるのだろう。

ip1810-IMG_5420.jpg 
塩竈の蛇腹の大トロは、素晴らしすぎる脂の質。
甘美な脂をたっぷりと堪能しつつ、それがサラリと切れていく快感。

しかし、だ。

大間は脂の乗りこそ塩竈にわずか劣るものの、香り、旨味・コク味の深さ、
といった点でやはり上回ってくる。

塩竈に合わせて訪問したが、後から入った大間の凄さ。
これがさらに熟成を重ねるとどうなるか、訪問が1週間早かったかw

姫川亜弓を目当てに観劇に出かけたが、北島マヤという天賦の才に出会ってしまった。
そんな感覚だろうかw

ip1810-IMG_5421.jpg 
マグロの脂は、ガリを齧り、ビシッと締まったコハダを食べると流れていく。
が、美味さの真の余韻というべき、強烈な記憶は消えない。

ip1810-IMG_5422.jpg 
北海道のブリは、正真正銘「ブリトロ」の名に相応しい脂。

素晴らしいブリトロであるからこそ、本マグロというものの素晴らしさに改めて気づく。

ブリトロも噛むごとに、繊維から溢れ出るように甘い脂を堪能できる。
が、敢えて極端に言ってしまえば、ブリトロはそこまで、でしかない。

本マグロのトロは、分かりやすい脂の甘みを皮切りに、
血、鉄、酸等によって構成される、奥深い旨味とコク味、香りの世界に誘引していく。

マグロが鮨屋の看板であるとは、良く言ったもの。

ip1810-IMG_5423.jpg 
紅葉鯛の瞬間昆布締め。

美味いのだが、旨味の緻密さで1カン目の平目に敵わない。
白身主役の座はもう平目に奪われたか。

ip1810-IMG_5424.jpg 
壱岐の戻り鰹も素晴らしい脂の質。
加えて、キレイな赤身の美味さもしっかりとしている。

鰹というと、関西では和歌山・周参見のケンケン鰹がやたら重宝される。

たまたまの不運かもしれないが、ケンケンの美味いのに当たった記憶がない。
この壱岐にせよ、また気仙沼だって美味いし、周参見近隣の三重の鰹の美味さの記憶もある。
だけど、ケンケンの美味い記憶だけがない。

ip1810-IMG_5425.jpg 
ボタン海老の昆布締め。

ip1810-IMG_5427.jpg 
蛤も、漬け込みにまた改良が加わっている。

つゆの味の染み込み加減が秀逸。
絶妙の塩梅だ。

ip1810-IMG_5428.jpg 
甲殻類の旨味濃厚な赤出汁で小休止。

ip1810-IMG_5429.jpg 
車海老、味噌が実に鮮やかな美味さ。

ip1810-IMG_5430.jpg 

ip1810-IMG_5431.jpg 
穴子は、塩と煮詰めで1カンずつ。
親方がこだわる対馬であることに変わりはないが、今回は特級品。

冗談ではなく、本当に舌に乗せた瞬間に溶けていく。

それだけだと、脂たっぷりの穴子をとにかく柔らかく煮上げた、
ということで片付けてしまいそうになるが、魅力はそこで留まらない。

溶けていく際の濃厚な旨味に、何よりも香りの素晴らしさ。
いやはや、参った。

ip1810-IMG_5432.jpg 
サヨリ昆布締め。

ip1810-IMG_5433.jpg 
珍しく手巻きを。
このマグロは、ボストンの大トロ。

ip1810-IMG_5434.jpg 
海胆とイクラの通風丼。

ip1810-IMG_5435.jpg 
手巻きも食べたし、やめておこうよと天使が囁く。
されど「食べないと後悔しますぜ、旦那」という悪魔の耳打ちを採用する。

塩竈の砂ずり鉄火巻。
美味くないわけがない。

海苔巻との相性の良さもマグロの魅力の1つであって、
どんなに上質のブリや鰹を巻いても、ここまで美味くならないもんなあ。

ip1810-IMG_5436.jpg 
しっとりと、クリーミーで甘い玉子で締め。

とにもかくにも、北島マヤの天賦の才に圧倒された夜。

【訪問時期:2018年10月後半】

-------------------------------------------------- 
↓ブログランキングバナー、よければポチッと押してください↓ 

食べ歩きランキング

食べログ グルメブログランキング

にほんブログ村 グルメブログ 関西食べ歩きへ  

【過去記事】 
その25 ・・・ シンコ・コイカ
その26 ・・・ 大間比べ
その27 ・・・ 大阪におおはたあり、と胸を張りたい
その28 ・・・ この鮨を喰うために、我は働く
その29 ・・・ 驚きの鮮度を保つ
その30 ・・・ 仕事のさらなる進化
その31 ・・・ 夏大間・白甘鯛


寿し おおはた
 


関連ランキング:寿司 | 北新地駅大江橋駅西梅田駅



スポンサーサイト