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寿し おおはた @その17 (鮨:北新地) 第三幕第四場

久しぶりのおおはた。

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ちょうどこの頃、とあるテレビで取り上げられた。

親方の独自路線がまた新たな境地に達している様子を見て、 
もうたまらなくなって予約した。

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突き出しは、鳥取ズワイガニの蒸し寿司。

蟹肉が美味いのもあるが、台の酢飯が美味い。
「おお、来た来た」この後の口福の予感がここであった。

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宮城のマコガレイ。

活かった身には、サラッとした切れの良い旨味がしっかり乗り、
ほのかな脂を蓄えており、実に品良い美味さ。

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ホッキ貝の七味醤油焼き。

さあ、握ってもらいましょう。

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真鯛、この握りが食べたかった。

関西人が愛する鮮度良い鯛の香りと、熟成で引き出す旨味。
理想の配分を求めるべく、親方たちは試行錯誤を重ねてきた。

大畑親方は、寝かしの温度を少し上げ、冷えすぎることによる香りの喪失を抑える。
そして、握る直前に塩をせずに昆布にあて、少し押す。

昆布の風味を鯛に浸み込ませるのではなく、表面で旨味を添える。
ほんの少しだけ汗をかかせたようになり、身にもわずかに締りがでる。

すると、旨味は濃くなるが、「生」の香りもきちんとある。

感動的な1カンだ。

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ヅケ。

タネ質、身の状態に関わらず、活かったゴリゴリの身が最上、とはまったく思わない。
だが、いつの間にか熟成が持て囃され、猫も杓子もの熟成ブーム。

すると、逆にタネ質に関わらず「寝かした時間の長さ」を競うがごとくになり、
魚本来の味わいを殺して、粘りある濃い旨味を備えた正体不明の握りが目立つようになった。

良質の関西白身を握る店が江戸の熟成マニアにインスパイアされ過ぎた事実を目の当たりにして、
心が離れていったことをつい最近経験した。

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中トロ、この日は青森大間。

真鯛を食べて、その美味しさに感動すると同時に確信した。
この親方は、関西を大切にし、関西にしっかり軸足を置いていると。

江戸前をリスペクトしてその技法も採り入れ、また独自工夫もふんだんに用いるが、
鯛の「生」の香りと味を最も大切にする、そこが関西魂の表れだと思う。

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サヨリ。

酢飯の味も強めのため、昨今の江戸前信仰店と混同されやすいだろうが、
関西の宝である白身を重視せず、築地から直送させても所詮二線級しか揃えられないマグロと、
光物、煮物ばかり推してくる、関西を忘れたような店とは根本的に違う。

それは酢飯の進化にも感じた。

一時期は赤酢を随分と効かせていたが、少し控えめに調整してある。
赤酢と白酢をそれぞれ2種ブレンドし、ほんの少し砂糖を加える。

旨味がグンと強い酢飯であるが、酢の香りが強すぎて鼻を刺激するようなことはない。
香りを高めた鯛にも寄り添い、マグロの血の香りもきちんと受け止める。
どこか、弁天山美家古を思い出す味だ。

赤酢を効かせて砂糖を使わないことを最高と信じ、
江戸よりも酸っぱい・しょっぱい赤色飯で握って、
「江戸でしょ」とドヤ顔をするような店とはここでも根本的に異なる。

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金目鯛。

金目鯛は脂は多いが、身に水分は少ない魚。
昆布で締めると、身質によってはパサつくことがあるという。

そこで煮切りに粉末昆布を入れて、少し漬け込む。
すると、即席昆布締めと言おうか、身に昆布の風味をまといつつ、
身がパサつかずに柔らかさを維持する。

最後に皮目を炭火でごく軽く炙り、脂を存分に引き出す。
実に緻密なストーリー構成。

脂の甘みに、身の旨味と香り、それぞれ輪郭がくっきりする。

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鯖。

伝統的な締め方に、新たな工夫を試みる。

たっぷりの塩をまぶして、それから酢に漬ける。
この過程で砂糖を用いる。

塩が浸み込みすぎず、何ともいえぬまろやかな味わいになるのだ。

口に入れた瞬間、溶けてなくなるようで、
それでいて、舌に鯖の旨味を数分間にわたって残し続ける。

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トロ。

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コハダ。

厚みある身は、脂を蓄える。
やはり、コハダはこの身が一番美味いと思う。

コハダという魚種自体に幻想を抱いていないので、
薄い身でも強い塩梅の握りを好みはしない。

コハダの締めもまた進化していた。

旨味の強い塩を用い、次いでグラニュー糖を持ち出す。

強くも、緩くもない、摩訶不思議な締めの新技。

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スミイカ。

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ボタン海老昆布出汁締め。

単調かつ強い甘味の海老は、昆布締めで旨味が階層化する。
だが、昆布をあてると水分が抜けすぎる。

昆布出汁締め、これは以前にもこの店で経験した答えだった。
やはり、美味い。

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小柱。

心地よい縦の繊維感と軽い甘み。
煮切りと海苔と抜群に相性が良く、好きなタネだ。

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赤貝。

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鱈白子の蒸し寿司。

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海胆。

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イクラ。

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車海老も驚きの仕事が施されている。

昆布出汁で湯掻いて、その出汁に漬けておく。
握る前に蒸し器に入れ、人肌に戻す。
煮切りを塗って、最後に頭や殻で作った海老詰めを塗る。

幾重にも重ねられた旨味。

活け海老を茹でて人肌に冷まし、「甘みと香りを引き出す」海老握りは、
小野二郎氏が編み出し、高額店に広く浸透して、もはや当たり前でもある。

その次のステップの試み、海老料理として突き詰める、そう感じた。
アメリケーヌ・ソースのごとく海老詰めを用意する鮨屋は、そうそうないだろう。

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蛤。

こちらも穴子の煮詰めではなく、ハマヅメを塗る。
蛤の旨味が二重になる。

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牡蠣。

北海道の牡蠣を軽く煮て、漬け込む。
口に入れると、一瞬でとけてなくなるぐらい、ふんわりと仕上がっている。

世は、仙鳳趾牡蠣が人気で、クリーミー・ミルキーの大合唱。

その方向性とは違う。

とろける牡蠣はフレッシュな磯の香りをきちんと備え、
漬け込んだことで旨味が深まっている。

それも不自然ではなく、実にナチュラルな深まり方。
凄い。

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穴子は、骨と肝でとった出汁で煮る。

この間、醤油などを入れると固くなるから入れない。
仕上げに継ぎ足しの煮汁を入れるが、それで味を調整する。

舌のみでとろけていくような柔らかさだが、それだけではない。
穴子の旨味が輪郭をくっきりさせ、舌の上で乱舞する。

圧巻。

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鉄火巻。

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海苔巻。

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玉子。

ご無沙汰のうちに、芝居の台本はどんどん進んでいた。
お気に入り店をさらに絞って、きちんと通わねば、と改めて思う。

脂の多いタネは、脂に味の印象が支配されやすい。
香りの強いタネは、その香りに引っ張られる。

だが、それぞれ土台の旨味が当然ある。
それを引き出すこと、その輪郭をくっきりさせること。
すると、脂や香りに印象を左右されすぎず、絶妙なバランスが出来上がる。

その巧みな手法を試行錯誤を重ね、編み出した。
そういうステージなのか、と強烈な印象を受けた訪問だった。

【訪問時期:2015年11月後半】

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【過去記事】 
その7 ・・・ 第二幕第一場
その8 ・・・ 脂のコントロール
その9 ・・・ 秋です
その10 ・・・ マツカワガレイ
その11 ・・・ 活けイイダコ煮
その12 ・・・ 酢飯
その13 ・・・ 白海老仕事の到達点
その14 ・・・ バースデーナイト
その15 ・・・ おおはた流
その16 ・・・ 鰺


寿し おおはた
 


関連ランキング:寿司 | 北新地駅大江橋駅西梅田駅

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コメント
10032: by 明るい農村 on 2016/04/23 at 11:04:05

ちょっとした工夫の積み重ねが大きな差になるんですね。

10036:Re: タイトルなし by ま~くん on 2016/04/24 at 00:36:08

>明るい農村さん

コメントありがとうございます。

工夫されていますね、色々試行錯誤されています。
楽しいです。

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