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毎度毎度のあるある詐欺。
ただし、劣化する一方。

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弁天山美家古寿司 (鮨:浅草) 素晴らしき楷書の美

東国へ下向される我が鮨道の師、Iさんといよいよの別れ。
送別の宴の締めくくりは、江戸での鮨しかあるまい。

スケジュールの都合上、祝日の土曜、日曜での訪問。
通常の土曜日であれば営業している名店も多いが、祝日だと多くが休む。

予約不可の下北沢の小笹を目指したが、生憎の臨時休業。
不運を呪うも、他にも候補はあると電車を乗り継ぐ。

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東京メトロ・浅草駅からしばし歩き、東京スカイツリーを横目に到着したは、
言わずと知れた弁天山美家古寿司。

江戸前古典を体感するに、最も相応しき店の1つであろうことは疑いがない。

予約無しのフリの訪問という不安を抱えつつ、引き戸を引くと、
ちょうど2人が帰るところで、テーブル席ではあるが、待たずに入ることができた。

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江戸前鮨の始祖、華屋与兵衛の流れを汲む「千住みやこ寿司」で修業した初代が、
浅草の地で創業したのは慶応2年。

さて、足を踏み入れた店内は想像していたより小体で、明るく清潔感に溢れている。
つけ場に目をやると、5代目の内田正親方と6代目が並んでせっせと握っている。

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歩き回って喉がカラカラだったので、生ビールをもらう。

突き出しに、ゲソの小皿が出たが、これが何気に柔らかくて美味い。

肝心の鮨は、握り12カン、巻物1本の弁天山コース(7,500円)を注文。

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ガリは、江戸らしさを感じるシャッキリとした辛味の強いもの。

余計な味がせず、生姜の風味がストレートに伝わってくる。
なるほど、このガリと熱い粉茶だと、口中がさっぱりするだろう。

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最初の6カンは、5代目が握った。

本で何度も見た有名な親方が握り、運んできて、タネ説明をする。
私もどこかミーハーだったようで、テンションが高まる。

平目昆布締め、コハダ、真鯛、赤貝、本みる貝、鰹ヅケの顔触れ。

鮨ダネには何かしら仕事が施してあり、生で握るタネはない。
たしか、そういう流儀だったはずだ。

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平目昆布締めを口に入れた瞬間、少々大げさかもしれないが、衝撃を覚えた。

食前のイメージは、かなり強い塩梅の酢飯に、キュウキュウに締まった白身というもの。
ところが、食べてみると、イメージとは大きくかけ離れていた。

無論、関西寿司より酢飯の塩・酢は強い。
米も固めに炊かれ、キシッと歯に来る感覚もある。

だが、塩梅がきついと感じることは一切なく、むしろ酢飯の旨味に目を見張った。
酢飯が美味しいのだ。

平目も弾力をちゃんと残しつつ、昆布の風味がいい具合にアシストする締め加減。
大阪で出会った、旨味を吐き出させたようなキューキュー締めの仕事は何だったんだ・・・。

d-IMG_8803.jpg 
昨今の呑み助向けの握りよりは、若干大ぶり。

空気を含めてふんわり、というよりはキュッと強めに握ってある。
それでいて、口に入れればしっかりほぐれていく。
うん、握りが緩いと酢飯のほぐれ・ほどけ、を混同してはいけないね。

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巷間数多の鮨本曰く「鮨は酢飯が6割(7割)」。

鮨は刺身・オン・ザ・ライスではない料理。
分かっていたつもりだが、分かってなかったのか、としばし愕然とした。

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鮨は、タネと酢飯が一体となる料理であり、その一体感とバランスが大事である。

タネ質が少々劣っていようが、酢飯塩梅が良く、タネと一体になれれば、
ある程度は美味い鮨になる。
逆に、タネが優れていようが、酢飯が悪ければ不味い鮨になってしまう。

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コハダもトラディショナルな味わいで、実に美味い。

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最初の生ビールを飲み干してからは、お茶だ。
熱々の粉茶がしみじみ美味い。

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赤貝は、酢洗いする仕事を施す。
磯の香りが大きく減退し、もったいないなあ、と勝手に思っていた。

だが、洗い酢を潜った赤貝は、磯の香りも残している。
もちろん、少々の減退はあるが、これはこれで美味いと思える。

そうか、酢飯との相性だ。
美家古の酢飯と、酢洗いした赤貝との相性がとても良く、
バランス秀逸な1カンに仕上がっているのだ。

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残り6カンは、6代目が握った。
ヅケ、キス昆布締め、才巻海老、穴子、玉子、煮イカ。

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ヅケは湯霜をして、しっかり漬け込んだ伝統的仕事。

マグロ自体の質は特筆すべきものではない。
今や大阪でも、もっと上質のマグロを使う店はゴロゴロある。

それでも、握りとして素晴らしく美味い、美味しい。
やはり、酢飯との一体感、バランスの勝利なのだ。

ヅケは保存食にあらず、美味しく食べるための積極的工夫なのだ。
そう叫びたくなる。

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才巻海老。

そりゃあ、立派なサイズの活けを茹でて、人肌に冷ましたのを握った方が美味い。

だけれども、甘酢を潜り、海老オボロを挟み、優しい甘味に包まれ、
海老の香りのクセをふんわりとした酢の香りで消した、この才巻も美味いのだ。

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スルメイカの煮イカ、これがまた美味い。

火入れ良く、サクッと噛み切る心地よさ。
それに香りが良い。

煮イカを切ってもらい、煮詰めを少し塗ってもらって、ツマミにして呑む。
最高だろうなあ。

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沢煮穴子も、ふんわりとろける身が優しい甘さに包まれている。

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玉子もしっとりした食感、程よい甘さがいい。

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巻きは、鉄火、ヒモキュウ、干瓢を2切れずつ。

当たり前だが、酢飯が美味いと海苔巻も美味い。
4つ切りで食べたかったが、海苔巻(干瓢)はさすがに江戸の風がピューッと吹いた。

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振りかえって、再度思う。

タネ質勝負なら、大阪でも美家古を圧倒する店はある。
だが、酢飯塩梅、そして鮨ダネと酢飯との一体感・バランス勝負となると、どうだろうか。

昨今、猫も杓子も、の勢いで関西でも赤酢酢飯の店が増えている。
固く炊いた米に、赤酢を矢鱈目鱈効かせた、白身やイカと絶望的に合わない酢飯。

酸っぱすぎる酢飯。
砂糖分量が多く、甘い酢飯を愛した時代からの反動か、そういう店が少なくない。
そんな酢飯と比べれば、美家古の酢飯の方が、よほど関西人の舌にも合うと思う。

「江戸前」という言葉を意識し過ぎるから、おかしなことになるのだろうか・・・。

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ツマミを欲しい、とは少しも思わなかった。

昼だから、ではない。
握りだけで十二分に満足し、酒もツマミも欲しなかった。

この値で、この満足度。

5代目親方は無駄口はきかないが、物腰はとても柔らかい。
緊張感を強いる、なんてことは一切なかった。
だけれども、店内には凛とした空気が流れている。

奇を衒うところは一切なく、1つ1つすべてが楷書のようにキッチリした仕事。

江戸の老舗。
素晴らしい時間を過ごすことが出来た。

【訪問時期:2015年3月後半】

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コメント
9685: by 明るい農村 on 2015/08/24 at 00:13:58

ここの握りは衝撃的でした。これ以来、つまみは少々で握り重視に改めました。そのおかげでお好みで鮨を楽しむという新しい一歩を踏み出すことが出来ました。この店に出会って以降、浅草近辺を開拓する事が多いです。

9687:Re: タイトルなし by ま~くん on 2015/08/24 at 10:44:01

>明るい農村さん

コメントありがとうございます。

先入観を完璧に覆す、素晴らしい出会いでした。

私も以降はツマミを減らして、のスタイルになりました。
ただただ東京に行きたくて仕方がありません・・・。

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